此処に来れば年がら年中「派遣村」状態!
日本最大の日雇い労働者の街「釜ヶ崎」を抱え、日本中からありとあらゆるワケありの人種が集うリアルサファリパーク...これが「西成」や!!
◆西成豆知識◆
・あいりん地区ってどこにある?
大阪市西成区萩之茶屋・太子・山王あたりの一帯のことです。でもみんなは行政がつけた「あいりん」とは言わず「釜ヶ崎」「西成」などと読んでいます。
・どうしてこうなった!?どうしてこうなった!?
釜ヶ崎の前身として、100年くらい前は現在のでんでんタウン辺りに「長町スラム」というのがあったんですが、内国勧業博覧会の時に見苦しいからと、当時町外れの原っぱだった今の場所に強制移転させられました。
・釜ヶ崎の人口は?
およそ2~3万人くらいと言われてますが詳しい実態は不明です。ちなみに東京23区の人口密度の3~4倍はあるとも言います。わずか500メートル四方の街に高密度マンション型のドヤが密集しているので、納得。
・ドヤって普通の人も泊まれるんですか?
普通に泊まれますよ。一泊2000円以上のドヤはバックパッカーだらけなので雰囲気は明るいです。逆に1500円以下の所は労働者風のおじさんがメインになっています。1000円以下のドヤは殆どが定住者用で一般客はあまり受け入れていないかも。中には500円という場所もありますが、さすがに人外魔境クラスのものであると覚悟してください。
・素性を知らせずに暮らせますか?
釜ヶ崎は日本で最も匿名性の高い街です。多くの宿泊施設ではいちいち身分確認を取りません。また、保証人を立てろとも言われないので住むにあたっては全く面倒臭くありません。あいりん労働福祉センターに行けば身分が不確かな人でも普通に雇われてます。かの市橋君もここで逃走資金を稼ぐために粘ってました。でも、絶対に指名手配犯になるような悪い事はしないで下さいね。
・やっぱり怖いところなんですか?
昼間であれば動物園前、新今宮駅周辺を歩くだけなら何も怖くはありません。外国人バックパッカーも増えてきているので、観光客のふりをしていればいいです。ただし、駅の南側はちょっと怖いお兄さんがいっぱいいます。よそ者には警戒心も強いので、あまり刺激しない方が良いでしょう。
・暴力団もいますか?
犬も歩けば(以下略)
・路上で白い粉を売っているのは本当ですか?
本当です。太子交差点の南側に夜な夜な売人が集まります。彼らは定期的に警察に捕まりますが、いたちごっこです。っていうか日本最大のコナモンの街です。聖地みたいなもんです。ですが善良な市民のあなたは決して手を出さないでください。
参考ページ
<資料1> あいりん地域について
大阪の安い宿
大阪DEEP案内「西成区」アーカイブ



新今宮の駅を降りたら真っ先に見えてくるのが「あいりん労働公共職業安定所」と看板が掛かったおなじみの建物。ここで毎朝大量の労働者が仕事や雇用保険をもらいにやってくる。年がら年中修羅場が繰り広げられている聖地だ。

常に日雇い労働者のオッサンが暇そうに座っていたり、時折ドカタの親分がワゴン車で乗り付けてくる。雰囲気は競馬の場外馬券場のそれどころではない。普通の人が近づくとあからさまに怪訝な顔をされる。

それでもセンターの2階に登ってみると、やはりそこでも暇そうに日雇い労働者のオッサンがタバコをプカプカふかしていたり、スポーツ新聞を読んでいたり、はたまた路上に雑魚寝している姿を見かける。オッサンに「ガキがこんなとこほっつき回るな」とドヤされました。

センターと南海電鉄の高架下の間の道は毎朝「泥棒市」が開かれている。そこにはドカタ仕事用のガラクタ一式、賞味期限切れのコンビニ弁当から韓国製の偽マイルドセブン、それに3本200円の激安エロビデまとめ売り、そしてどこで仕入れたのか、使い残した処方薬(たまにハルシオンなど危ない系の薬もある)、無いものは無い泥棒市。

労働者たちは毎朝新今宮駅か動物園前駅から仕事に出る。夕方5時か6時くらいになると現場から帰ってきたオッサンでごった返す光景が見られる。みんな勤勉そのものだ。


日本最底辺の暮らしが繰り広げられているホームレスタウン西成。とにかく日常の買い物は安く抑えたい。釜ヶ崎エリアにはなんと5店舗もの激安「スーパー玉出」が絶賛営業中。惣菜や鮮魚に関しては微妙な評判だが貧乏人にはそんな事どうでもいい。安いが正義。正義の味方、玉出。大方、弁当は200円くらいで買えます。

スーパー玉出新今宮店もご覧の通りの大繁盛。ちなみにこのマンションは福祉物件になっていて、生活保護受給者が主に入居しているのだ。なんとスーパーの店舗内に部屋に向かうエレベーターが置かれている。スーパーの店内を通らないと出入り出来ないという超珍物件。しかし24時間営業だし玄関先がスーパーだから買い物にも困らない。これは便利!

とにかく「安いが正義」の土地だから、商売人もギリギリまでデフレ競争の崖っぷちに追いやられる。とうとうブチギレて店のテントにまで「まだ高いですか!!」と書き出す始末。さすが西成クオリティ。西成で商売するのは楽ではない。

釜ヶ崎の平均的なドヤ。外観を見ると各部屋の窓には鉄格子がはめられていて、さながら監獄のような姿を見せている。しかしこれで一泊1000円なのだから、日雇いのオッサンは大喜び。1日ドカタ仕事に出れば大方7~10日分の宿泊費用にはなる計算だ。

だが釜ヶ崎の場合は探せば一泊あたり400円や500円の超激安宿があるのだ。しかし残念ながら競争率は高い。ひと月12000円でひとまず寝る場所が確保できるのだからこれは安い。西成ライフを考えている貴方、こういう張り紙を見つけたら即連絡するべきである。

平均的なドヤの内部はこんな感じ。和室3畳、風呂トイレは共同。布団は一週間ごとに希望制で交換してもらえる所が多い。近年はバックパッカー向けに禁煙室なども増えてはいるが、設備にしっかりヤニがこびり付いているので、そこら辺が敏感な人にはきついかも知れない。

いくらホームレスやドヤ暮らしでも身だしなみはきっちりしたい。確かに街の散髪屋でも700円とかでやってくれるので安いのだが、お金が無ければこうして時折ボランティアが無償で散髪してくれたりする。釜ヶ崎では助け合いの精神が生きているが、有難味を忘れて人に頼り過ぎるのもよくないぞ。

もし本当にお金が無い上に働く体力もない場合は生活保護を受けたら住める家も沢山あるぞ。大阪市の生活保護受給率は全国平均の4倍、市民20人に1人が生活保護を受けているという超貧民地帯なのである。もっとも、その多くは西成区に集中している事は言うまでもない。


西成は飲むにしても食べるにしても非常に安い。自販機も巷では120円だか取られるが、西成にやってきたらまず50円~70円がデフォルトである。よく見たら銘柄はサンガリア(地元大阪のドリンクメーカー)だったりする訳だが、それでも非常に安上がりだ。
ちなみに飲んだくれだらけの釜ヶ崎だけあって、酒の自動販売機もやたら多い。

商店街によくある飲食店の類は殆どが立ち飲み居酒屋を兼ねている。どうしてもアル中が多い土地柄だから安酒が飲める店が圧倒的に支持を得るのである。となると立ち飲みが最も経営学的に効率良く稼げる訳だ。それにしても店の名前が「甘すぎてすいません」とは如何に。

だが一方で定食屋だって充実している。まんぷく食堂では400円~500円も出せばオカンの手作り料理が食えまっせ。特に焼き魚定食が出るのは凄く嬉しいよね。定食も食える金が無いという貧乏人にはちゃんとカップラーメンも置いてある気配りが素敵。

定食も高いしカップラーメンもちょっと...という人にとってはこんな店もある。なんとインスタントラーメンを調理して出してくれる店があるのだ。たったの200円!これは安い!手作りカレーも300円だ!

あのスーパー玉出だって直営の喫茶店を出している。その名も喫茶ひまわり。しかも満足のオールナイト営業である。ちなみにその上は福祉アパートとなっている。

ここでも定食がお安く食べられる他、モーニングセットは300円程度で、西成のど真ん中でゆったり朝のひとときを過ごす事ができる。独り身にとってこれほど嬉しい店はない。食材に中国産かどこかなど考えるのは野暮な事である。

たまには甘味処でも...という時にはしっかりとした店がある。「甘党ハマヤ」でみつ豆でもどうでっか?南海萩之茶屋駅前のガード下でレトロな店構えで頑張ってはります。西成釜ヶ崎で、スイーツ(笑)もちろん若い女の子はただの一人も居ない。


多くの人が住んでいる西成釜ヶ崎。みんな貧乏で苦しんでギリギリの人生を生きている。たまには気晴らしもしたいよね、と言う事で、毎年盆休みには田舎に帰るアテもない日雇い労働者のオッサン達が三角公園に集まってお祭り騒ぎだ。盆踊りに屋台も出てきてなかなか本格的。西成生まれ西成育ちのSHINGO☆西成がディープでソウルフルなヒップホップソングを轟かせる。「ILLなGHETTO ILL西成BLUES」

西成にやってきたらキャバクラもこんなんです。ヤングサロンマハラジャ。キャバクラ嬢どころかむしろ妖怪・奪衣婆でも出てきそうな店構えです。リアル三途の川やな。入る勇気ある?いや、無い。

さすが西成、骨董品屋まで下ネタ丸出しでやっております。珍古萬古!貧民街に長年住んでいたら脳内がどうにかなってしまうんでしょうか。珍古萬古!!


西成と言えば日雇い労働者、そして彼らを煽り立てるのが極左プロ市民の皆様方である。時折釜ヶ崎暴動の裏で手を引いているのが彼ら筋金入りの活動家・釜ヶ崎地域合同労働組合委員長の稲垣メンバーらだ。彼らが本拠地にしている「釜ヶ崎解放会館」の建物がすこぶるカオス。完全に魔窟やがな。

しかしその周辺に書かれた落書きの電波っぷりもハンパないっすよ。ここが今現在日本の左翼活動の北極点であろうと思われます。社民党の辻元ちゃんのポスターも貼られていました。さぞかし仲良しなのでしょう。

そういう土地なので、時折暴動が起こるかも知れない...という事態になると、新今宮駅前に開ける大阪府警所有の空き地にずらりと護送車が集結するのである。ここは日本のヨハネスブルクか、それともソマリア・モガディシオか。一触即発の香りが漂う。

今どき通年的にこんなゲバ文字が生で見られるのは日本中探しても釜ヶ崎だけ!

ありとあらゆる無法者が流れ着く日本の終着地点西成釜ヶ崎の治安を守る要塞「西成警察署」は相変わらずイカツイ姿を晒している。労働者のオッサンが行列をしているが、隣接する四角公園で炊き出しが行われている時に、その行列が警察署前までぐるりと伸びているのだという。

西成ではみんな生きるために必死。ゴミの中から資源や食えそうな食い物を漁る人の姿は当たり前に見かける。こんなエコな街は日本中探したって西成しかないだろう。彼らの慎ましやかな暮らしぶりを見れば綺麗事でエコエコ抜かしておる商売人の欺瞞は何だと思う。

あいりんセンター前の路上にはたくさんの野犬が飼われている家(当然不法占拠)がある。釜ヶ崎では犬は日雇い労働者の孤独を癒すペットであると同時に貴重な「暖房」でもある。冬の寒い時期は犬に囲まれて眠る事でどうにか寒さをやり過ごす。エサ代が掛かると思いきや、そんなものはそこらのゴミを漁るので費用面での心配も要らない。ちなみにここいらの野犬が狂犬病予防接種をやっているかどうかは不明。

路上に建てられた掘っ立て小屋の居酒屋(当然不法占拠)の軒先にふと目をやれば、そこでは赤ちゃんが沐浴の最中でした。ここはインドかよ。聖なるガンジス川こそないが、この西成で過ごすひと時はバラナシのそれと限りなく近い。


ジーザス・クライスト。人々は困窮の縁に追いやられた時、救いを求めるのは神仏であり、藁をも縋る気持ちで飛び込むのがキリスト教会である。釜ヶ崎には「大阪救霊会館」をはじめ多くのキリスト教会が存在する。そこでは人生のどん底をさまよう人々に救いの伝道を与え、時には暖かな炊き出しも行う。汝隣人を愛せよとは召されたキリストの教えである。

西成は弱肉強食のサバンナである。もはや生きる希望すら失った人々はやがて精神を冒され、奇特な行動に走る事もある。車道の脇に座り込むこのオバチャンは路上で何やら吸殻でも拾っているのだろうか。車が来たら危ないぞ。

幻覚が見えるのか、それとも何かを書かなければ気が済まないのか、南海電車のガード下にびっしり書かれた意味不明な落書きの数々。そこには謎の記号、声にならない叫びが刻み込まれている。ここが西成のエルサレム、嘆きの壁である。

しかし「半殺しにします」という物騒な文言はいただけないなあ。

西成釜ヶ崎ではあちこち廃車が山積みになっている訳だが、それぞれゴミ溜めにされていたり、はたまたホームレスが住み着いていたりとかなりカオスでフリーダム。しかも警察をおちょくったような落書きまであって、どうしようもない。

路上には行くあてもなく真っ黒に汚れた素足を晒すホームレスのオッサン。希望の光はもう何処にもないといった表情だ。目の前を無常に通り過ぎるのは、新今宮駅・動物園前駅から阪堺のチンチン電車に乗り換える人の姿だ。

そして三角公園のゴミ溜めでは今日も生きとし生けるものが人間も犬も問わずに食い物を探り出している姿を見る事が出来る。この犬もかなりやつれていて、ふらふらと歩いており、今にも死にそうになっている。

毎年盆休みに三角公園で行われる釜ヶ崎夏祭りでは、その都度釜ヶ崎で命を落とした人々を弔っている。ドヤで孤独死、はたまた寒空の中で凍死、もしくは餓死...まさか日本で?と信じられないでいるのか。現実にあの四方500メートルの空間で起こっている事なのだ。その現実を隠そうとする人々がいる。
もしかしたら将来の日本だって、釜ヶ崎のようになるやも知れぬ。

「汚れた沼にも 花が咲きます もう一度花を 咲かしてみよう」
どんな世界の中でも希望を無くさないで生きていきたい。